幕末歴史散歩 京阪神篇 (中公新書(1811))



幕末歴史散歩 京阪神篇 (中公新書(1811))
幕末歴史散歩 京阪神篇 (中公新書(1811))

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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幕末歴史散歩ファン必携、

歴史の現場に直接足を運びたい幕末ファンには必携の便利本、実によく足で調査されたいわゆる労作(著者自身はまったく労を感じていないとおもわれるが)、巻頭に7ページの白黒地図が付属するが散歩ガイドとすれば少々縮尺が大きすぎるのが難点、幕末維新の簡便な通史としてもよくできています、

幕末から戊辰戦争までの期間の政治活動に参加し、たおれた人数は幕府・官軍など総勢でおそらく2万人ほどとおもわれるので、本書と姉妹本で採用されなかった墓・碑などが必ず読者の身近に埋もれているはずです、

評者のような読者にとって少々鼻に付くのが司馬遼太郎直系の腰抜け歴史見物姿勢がところどころ顔を出す点、

代表例をあげると、幕末に政治舞台として重要性を増した京都には各藩がこぞって藩邸を設けた、京都藩邸勤務を命じられて京都で病死・事故死等した藩士たちをなんと著者は「幕末という特異な時代が生んだ犠牲者」と書くのだ(P.160)、藩命で藩邸に出仕した藩士が客死することのどこがどうして犠牲と呼べるのかまことに疑問でしょう、

著者の理屈に倣えば、藩主の参勤交代に藩命で随行した藩士が江戸藩邸で病死するのは幕藩体制の犠牲者になってしまう、無自覚無反省に実に安易に「犠牲者」という言葉を使ってしまういかにも赤い戦後民主主義教育に染まった視点で150年前の武士たちを語る姿勢ほど彼らを強烈に侮辱する態度はないだろう、というのが私の意見です、

先の例に続くP.161では池田屋事変の同夜起きた長州藩士吉岡庄助の遭難が語られる、武士が「抜刀することの重み」を著者が理解できていないことがよくわかる全18行なのでこのレビュウを読まれて本書を手に取られた方はぜひ玩味していただきたい、
時間があれば足を延ばしてみたい

関東編もよかったが、関西編もすばらしい。
特に、天誅組の悲惨な末路について、本書ではとても詳しくしょうかいされているので、思わず現地に行ってみたくなったが、いかんせん遠い。
でも、いつか実現したいものだ。
これぐらい丁寧に史実と史跡の紹介がされている本はほかにない。




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